ぷりんとばんじゅくⅢ『 プリント配線板の実践品質保証 -品質保証編-』改訂版

  • 長谷川 堅一 著
  • 平成27(2015)年6月3日 第2版第1刷発行
  • A5判 132ページ

発刊に寄せて

 本誌の初版からもう14 年も経過した。その間の電子回路業界の変化も著しく、品質保証の要求レベルも一段と高度化している。
データの超高速伝送ニーズはとどまることなく、回路の細線化は益々進行してはいるが、半導体とプリント配線板の細線化レベルのギャップは依然として問題視されている現状である。
つまり半導体に比べプリント配線板の細線化レベルが遅れている点を、どのように解決すべきかが大きな課題となりつつあるのだ。当然ではあるがそれに伴うプリント配線板製造環境のクリーン化要求も一段と高度になっている。
加えて、電子部品がプリント配線板に内蔵されることによる検査方法の変化や、一層の耐熱性・高周波対応、高精度位置合わせなどの技術課題も重なり、プリント配線板材料そのものの革新要求にも繋がっている。しかも世界的なグリーン化要求も厳しさを増し、電子機器や製造過程で使用される副資材、梱包材などに含有される有害物質の規制
も多岐に渡っており、法規制を無視できない状況にある。
品質保証に関する基本は変わり無いが、これらの変化への対応は少なからずその難度を高めている。
また、発展途上国の技術レベルも次第に上がっており、グローバル競争は益々激しくなっている。我が国はこれまで新製品開発力を重視し、量産は海外と言う流れに傾注し過ぎ、企業としての旨味を放棄してきた感が強い。これでは何の為の技術立国なのかわからない。企業としての旨味を確保し、我が国の安定した雇用も確保してこそ繁栄が約束されるのではなかろうか。
プリント配線板は、あらゆる電子機器の核となる製品である。本業界の発展と成長がなければ、我が国そのものの繁栄も約束されないということになる。この事業の品質保証は他の製品に比べ非常に難しいことを初版でも述べたが、それだけに我が国の技術レベル、管理レベルの高さを生かし、差別化できるチャンスと考えるべきであろう。言い換えれば価格競争においても勝てる物作りにチャレンジすることが必須である。品質保証力は物作り力の原点でもある。我が国のレベルをもってすれば、必ず成功するチャレンジと確信するものである。

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