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UL796 プリント配線板の規格解説書 解説と和訳(第2版)

  • UL796プリント配線板の規格解説書 解説と和訳(第2版)
  • 2008年11月 第1版 第1刷発行
  • A4判133ページ


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 平成16年にUL796第8版の日本語解説書を発行してから4年間経ちました。その間、第8版において繰り返し行われた部分的改定を反映して第9版が2006年4月17日にULから発行されました。その後随時改定が行われましたので、2008年2月26日改定の更新内容までを反映させて、新たに解説書の改定版を発行することに致しました。

 UL規格の実務への運用ではもちろん英語原文が適用されますが、日本の電子回路基板メーカならびに関係者にとって、品質保証や取引契約にも少なからず影響を与えているUL796規格の内容をまず母国語で読み解き、単に規格の要求内容に対応するのではなく、規格の内容が現実を反映して適切なものであるか、規格書とフォローアッププロッシージャを基に運用運営されているUL認証がよりよく真価を発揮するために、UL796規格が今後どのように改定されるべきか、当事者からの見解を整理し、継続して提案していくためにはこのような解説書も現状を反映して改定再発行されるべき、と判断したためです。

 今回の第2版でとりあげられた大きな改定点には次のような項目があります。
注目すべきポイントを併記します。
1.部品内蔵電子回路基板のテストプログラム
 部品内蔵電子回路基板のテストプログラムが追加されました。しかし実際に内蔵される部品は非常に小さくて薄い材料を使用しているにもかかわらず、従来の長期熱劣化テストが要求されているほか、実際に内蔵されている部品の数や間隔をテストサンプルにどのように反映するかなどについて、このプログラムでは細かいことは何も決まっておりません。従って、このプログラムで実際に運用することは非常に難しい状況です。今後実用に基づいたテスト方法についてもっと議論していなかなければならないでしょう。 (15項参照)
2.メタルベース基板専用のテストプログラム
 メタルベース電子回路基板専用のテストプログラムが追加されました。従来はANSIタイプのテストプログラムがメタルベース電子回路基板にも適用されておりましたが、絶縁樹脂の最小厚みだけでなく最大厚み、最大積層数での燃焼性テストが追加されました。この改正に基づき2007年11月5日付でファイルレビューが行われております。 (17A項参照)
3.マイクロセクションの試験方法
 マイクロセクションの試験作業方法が追加されました。これはサンプルの構成やパターン幅を確認する方法として追加されました。今までは、これらについては詳細にチェックされていませんでした。各層の厚みや内外銅箔厚さなどを細かく計測します。(21A項参照)
4.鉛フリーの材料
 鉛フリーの材料で、スズ銀―銅(SAC)合金、第3の合金を含んだスズ、スズ銀合金はシルバーマイグレーションテストを要求しないことが明記されました。(10.2項 例外No.5参照)
5.デラミネーションテストサンプル
 デラミネーションテストサンプルでスルーホールの最少数が4つに明示されました。従来もこのサンプルが要求されていましたが、図に記載が漏れていたものです。(10.13項 図10.3参照)
6.ソルダリミット
 ソルダリミットに繰り返しのはんだ操作やリフローの温度プロファイルを含むものはその温度プロファイルを代表するマルチプルソルダリミットでテストしなければならないという要求が追加されましたが、2007年に運用された結果、最終製品のフォローアップサービス(FUS)で、使用しているプリント配線板のソルダリミットとメーカの実装条件とが合わないことでバリエーションノーティスが発行され、大きな問題となりました。この点に関して、JPCAから、日本国内ではなんら問題なく運用されてきた従来法に戻して再考すべきである、という主旨で、規格改定案としては、当該項目を削除し、代替として、プリント配線板の評価は、1)燃焼性(たとえばV-1)、2)MOT、3)ソルダリミット(たとえば260℃、10秒)でユーザとの一般的な取引契約上は十分ではなかろうか、という案を提出したことを皮切りに、現在もなお真剣な議論が継続されています。(10.12項参照)
詳細は、JPCA NEWS 2008年1月号、 JPCA NEWS 2008年10月号をご参照ください。
7.装飾インクやマーキングインク
 装飾インクやマーキングインクの「べた塗り」がある場合やダブルコーティングを行う場合は燃焼性テストが要求されることが明記されました。 (13.1.4項参照)
8.断面図
 サンプル作成の際に参考とできるよう種々の構造のテストサンプルの断面図が追加されました。 (図20.2~20.15参照)
9.マーキング
 今まで、全てのマーキング項目を記載するだけのスペース(2.5mm角)がない場合にはリコグニションマーク“ ”をボードにつけて、規格で要求されているすべてのマーキングは、最小出荷単位またはボードのフレームにつけることができましたが、製品にこのリコグニションマークをつけることが規格から削除されました。したがってすべてのマーキングをするスペースがない場合にはボードには何もつけないで、最小出荷単位の梱包にすべての必要なマーキングを1ヶ所にまとめてつけなければなりません。 (31.2項参照)
10.タイプ名
 同一タイプ名の元で燃焼クラスが異なるプリント配線板は、燃焼クラスをマーキングすることが要求されておりましたが、燃焼クラスが異なるものは別タイプ名をつけなければならなくなりました。この改訂に伴い、2007年11月5日付けでファイルレビューが行われております。 (31.5項参照)
11.めっき工程
 めっき工程をマルチサイトプロセッシングで行う場合には、受け入れ検査で26章のめっき密着性テストを4半期に1回行うことが追加されましたが、現状ではフォローアップの現場でこのデータの確認は行われていないようです。(12.2項 a)参照)
この項目に限らず、規格記述内容とフォローアップサービス(FUS)での指示事項との関連が明瞭でない点については、規格の解釈で運用するのが好ましいのか、具体的に規格文書に明記すべきか、フォローアッププロシージャの記述で対応すべきか、規格の運用を想定した規格改定への考慮、対処が必要です。
 最近、日本の電子回路基板メーカも規格改訂にかかわる会議等に直接参画するようになってきました。規格は常に審議され、常に改定手続きが進行しています。さらに、関連規格にも影響を与えます。たとえば、上記6番目の「マルチプルソルダリミット」の件では、UL796で検討されている問題点の決着がついていないにも関わらず、2008年3月にULから、UL796F(フレキシブルインターコネクト構造)の規格改定提案として、UL796で実施して問題が起きた記述と同じ内容を盛り込んだ案がUL側から提出されました。問題の再発が懸念されるこうした改定提案に対して、日本のフレキシブルプリント配線板メーカを中心に、改定案の意図を問い、本来どうあるべきかについて、技術的側面、UL認証として規格運用する場合の適正さなどを含めて審議が継続されています。特にUL規格において規格化作業に積極的に参加することの重要性は、規格の一部分の改定が、それまでに取得してフォローアッププロシージャに記載された内容の変更に際して、膨大な手間とコストとして影響を与える場合が少なくない点にあります。
 通常、電子回路基板のユーザであるアッセンブリメーカやセットメーカでは、UL認証された「ボードタイプ」を安全認証された構成部品の仕様として扱う場合が多く、電子回路基板メーカは、実績のある同一の「ボードタイプ」に基づいて、新改定の規格に適合した電子回路基板をユーザに納入することが要求されることが多いからです。この場合、一部の試験が追加改定されただけでも、そのボードタイプに用いられている構成材料(銅張積層板、プリプレグ、ソルダレジストインクなど)すべてについて再テスト評価が要求され、規格に適合した試験の実施には、多くの手間と時間と費用が掛ることになります。たとえば、マルチプルソルダリミットの例では、一定のグレードであることを材料段階で評価された銅張積層板の互換性を認めるCCIL(Copper Clad Industrial Laminate)プログラムの適用を考えると、材料メーカ、インクメーカにもすべてソルダリミットの取り直しが要求されると考えられます。
 今まで以上に業界各位、関係者各位の積極的な規格制定、規格改定作業への参加が望まれます。この解説書がそうした作業の参考書として少しでも寄与できることを願っております。


2008年11月
社団法人日本電子回路工業会
専務理事  長 嶋 紀 孝



目次

1 適用範囲
2 用語
3 計測の単位
4 計測の精度およびテスト条件
5 補足テスト手順
6 参照文献
7 通則

構造
8 通則
9 ベース材料
9.1 通則
9.2 金属張りベース材料
9.3 ダイレクトサポート
10 導体
10.1 材料
10.2 銀
10.3 導電性コーティング
10.4 エッジ(縁)と幅
10.5 パターン表面
10.6 外部銅箔または銅重量
10.7 ミッドボード導体
10.8 エッジ導体
10.9 端子表面メッキ
10.10 メッキスルーホール
10.11 追加の導電性メッキ
10.12 ソルダリミット
10.13 パターン
11 導体の接着
12 工程
12.1 通則
12.2 マルチプルサイトプロセッシング
13 永久コーティング
13.1 通則
13.2 永久コーティングのプログラム
14 穴埋め材料
15 内蔵部品
16 単層(片面および両面)プリント配線板
16.1 通則
16.2 金属張り(MCIL/CCIL)ベース材料プログラム
17 多層プリント配線板
17.1 通則
17.2 アッセンブリー
17.3 マス積層板プリント配線板
17.4 電気的絶縁
17.5 ラミネーション(積層)
17.6 異種絶縁材料の評価
17.7 層間接続
17.8 金属張り積層板およびプリプレグ材料
17A メタルベースプリント配線板
17A.1 通則
17A.2 メタルベースプリント配線板の垂直燃焼性評価
17A.3 メタルベースプリント配線板のボンドストレングスの評価
18 フレキシブルプリント配線板
19 プリント配線板構造の変更

性能
20 テストサンプル
21 データ収集
21A マイクロセクション分析
21A.1 通則
21A.2 テストサンプル
21A.3 サンプル表面のエッチング
21A.4 材料およびテストパターンのパラメーターの評価
22 熱衝撃
22A 燃焼性
22A.1 通則
22A.2 サンプル
22A.3 コンディショニング
23 ボンドストレングス
23.1 熱衝撃後
23.2 受理状態
23.3 オープンコンディショニング
24 デラミネーションおよびふくれ
25 異種絶縁材料のサーマルサイクリングテスト
25.1 通則
25.2 サーマルサイクリング
26 メッキ接着性
27 導電性ペースト接着テスト
28 高密度インタコネクト(HDI)タイプ構造で使用する絶縁材料
28.1 通則
28.2 HDIの垂直燃焼性評価
28.3 HDIのボンドストレングス評価
28.4 HDIの絶縁クロスオーバーの評価
28.5 HDIのサーマルサイクリング
28.6 HDI材料のパラメーターを変更するためのテストプログラム
29 燃焼性
29.1 通則
29.2 サンプル
30 銀マイグレーションテスト
30.1 通則
30.2 手順
30.3 結果

マーキング
31 通則

補足SA フォローアップ検査
SA1 適用範囲
SA2 用語
SA3 製造業者の責任
SA4 検査員の責任
SA5 フォローアップテスト用サンプルの選択
SA6 フォローアップテストプログラム


注文番号 タイトル 販売価格(税別)
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u001 頒布価格 ¥5,000
在庫有り
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